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2008年10月

2008年10月15日 (水)

軽より小さいプレミアム、トヨタiQデビュー

 トヨタ自動車は2008年10月15日に新型車「iQ」(アイキュー)を発表、11月20日から全国のネッツ店で販売する。全長3m未満のコンパクトなボディーで4人乗りという、高効率の新しいパッケージングが特徴だ。パワートレーンは1L直列3気筒エンジンとCVT(無段変速機)の組み合わせで、小さく軽いボディーと相まって、10-15モード燃費は23km/Lと低燃費を実現している。

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 iQを見て驚かされるのは、その特異なプロポーションだ。まるでチョロQのように切り詰められた短い車体の4隅ぎりぎりにタイヤを配置し、ボディーのオーバーハングは前後ともごく短い。それでいて全幅は普通の5ナンバーサイズ並みにある。

 ボディーサイズは全長2985×全幅1680×全高1500mmで、トヨタの主力コンパクトカー「ヴィッツ」(3785×1965×1520mm)どころか、ワンクラス下の「パッソ」(3600×1665×1535mm)よりも小さい。全長3m以下というのは、1976年まで施行されていた360cc時代の軽自動車の規格。つまりiQは、全長だけで見ればスバル360やホンダN360と同じくらいの大きさなのだ。

新発想のレイアウトで高効率パッケージングを実現

 この小さなボディーで乗員4人を実現するために、今までの常識にとらわれない新発想のパッケージングを導入した。横置きFF車の場合は通常エンジンとトランスミッションの後方にデフギアを置くが、逆に前方に配置して前輪をボディー前端ぎりぎりに配置した。このおかげでホイールハウスが室内に食い込まなくなり、前席乗員のフットスペースを確保している。

 他にもエンジンルームをコンパクトにするために、ステアリングのギアボックスを従来よりも上方に配置。エアコンユニットを小型化してインストルメントパネル中央部に納め、助手席前方のスペースを広げた。燃料タンクは薄型化し、前席下から後席足元の床下に置くという、ホンダ「フィット」と同様の手法を採っている。

小さくてもプレミアム、ヴィッツやパッソよりも上級の位置付け

 これらの効率化により長さ3mのボディーに、大人3人+子供1人が乗れる空間を生み出した。ダッシュボードの助手席側は大きくえぐった形状にして、前・後席に大人が座れる空間を稼いだ。運転席側の後席足元スペースはさすがに最小限で、小さな子供でないと実用にはならないだろう。

 トヨタはiQを、小さくても高級な“マイクロプレミアム“カーと位置付けている。グレードは3モデルで、車両本体価格は「100X」が140万円、装備を充実した「100G」が150万円、最上位の「100Gレザーパッケージ」が160万円。同じ1Lエンジンを積む「パッソ X “V Package”」の96万6000円、「ヴィッツ B」の107万1000円よりも高価だ。

 ただしiQは横滑り防止装置の「S-VSC」を全グレードに装着するなど、装備の充実度ではパッソやヴィッツのエントリーグレードより上だ。

“小ささ“や“環境への優しさ”を高級ととらえるユーザー層が日本に根付くか

 世界的に環境への関心が高まる中で、「iQは超高効率パッケージングと優れた環境性能によって新しい価値観を提供するクルマだ」、と開発責任者のトヨタ第2乗用車センター チーフエンジニア 中嶋裕樹氏は言う。だが、小さい=安いという価値観に慣らされた多くの人々に、「小さくても高級」という新しい概念が浸透するには時間がかかるだろう。

 iQの販売目標が月2500台と、ヴィッツの月8000台やパッソの月6000台よりも控えめなのは、トヨタ自身もこれから手探りで市場の反応を確かめていこうという、試行錯誤の段階にあることを自覚しているからではないだろうか。

(文・写真/柳 竹彦=日経トレンディネット)
引用元:10月16日13時15分配信 nikkei TRENDYnet

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